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個別銘柄レビュー CRIミドルウェア(3698)

ゆるゆると個別の気になった銘柄のことを書こうかなぁーと思います。

今日はCRIミドルウェア(3698)ですね。

 

会社概要

<事業>

主力は音声・動画の圧縮や入出力のミドルウェアですね。「CRIWARE」という名前で一連のソリューションを展開しています。これはもう業界だと非常に有名なやつですね。主にエンタメ、ゲームで使われることが多いです。有名なスマホゲームにはかなりの確率で入っているので、起動画面で見たことがある人がほとんではないでしょうか。

CRIWARE for Games – ゲーム開発向けのサウンド・ムービーミドルウェア「CRIWARE」の製品情報やチュートリアル、採用事例などをご紹介しています。  UnityやUnreal Engine 4(UE4)での開発にも対応しています。

他には、こうした音声・動画のミドルウェアの組み込みですね。家電、業務用機器、車載などありますが、わかりやすいところでいうと例えば、カーナビの音声案内とかですね。あと、地理的な観点でいくと、これらは別にグローバルで使用できるプロダクトなので海外展開として中国を中心に攻めてますね。

 

<基本データ>

時価総額:10,207百万円 

売上(202009連結):2,349百万円

営業利益(202009連結):457百万円

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業績ハイライト CRIホームページより

<株価>

本日2021/03/19 時点で1838円。
直近1年の推移は以下で、しばらく1600円台が続いていたが、2020年末くらいにかけてあがり、一旦2800円をピークに下降し、直近1カ月は上昇傾向。

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また、長期(5年)でみると以下で、最大で5000円から、2000円まで下降、そのあと4000円まで戻し、また2000円を中心とした推移に戻ってる感じですね。

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レビュー(感想・考察)

 

<市場について>

メインでプロダクトを投下しているゲーム市場については伸びており、さらにコロナによる巣ごもり需要でここ1年は急伸。

10年連続成長の国内ゲーム市場、コロナ禍でさらに需要増加 - BCN+R

コロナ収まったとしても、リモートワークなど在宅化、オンライン化は取り込んだ形の生活形態となることは明白であるため、今後も伸びも一定程度は非常に固い。

また、近年ようやく日本でもe-sportが市場として盛り上がったきたところでもあるので、ゲーム市場としてはこれ以上ない追い風状態。

 

<CRIミドルウェアの優位性について>

音声・動画の圧縮という意味ではシェアは非常に高く、ユーザーからのフィードバックにおける改善やかゆいところに手が届く形で完成度を挙げているので、シェアはよほどのことがない限り維持されると思われる。ただし、もちろん全く新しい形での圧縮技術などが出てくる可能性はあるが。

 

<事業の進展・成長について>

上記優位性を生かして、音声・動画ミドルウェア事業は岩盤ではあるが、導入されるゲーム市場に左右される。すごくマクロな観点だと国内は人口も減ってくる中で、何か新しい事業の展開・拡大を探さなければならない状態。

その1つとして、取り組んでいるのが中国を中心とした海外展開であり、このあたりは今のところ非常にうまくいっていると思われる。中国大手のテンセント等との提携などもあり、売上は伸びている。中国を中心としたアジアあたりについて、数年は拡大できるのでは。

海外のCRIWARE認定サウンドスタジオの取り組み~中国編~ - CRI Middleware

 

もう1つとして、新規の柱となり得る事業の創出・育成。
会社の情報をみると、①組み込み系、②コンテンツ領域への拡大、を試みているのでは、と思う。
①については、前述したカーナビなど、音声や動画を使うアプリ・デバイスへの組み込み。これはすでにカーナビなど進めているが、まだまだ拡張余地はあると思う。オンライン化やAI活用が進む中で、ユーザーインタフェース部分で音声や動画が使われる場面は増えてくると思うし(例えば、飲食におけるロボットAI接客とか、窓口のAI対応とか)、工場などにおいても音声を活用した業務最適化・効率化が進んでおり、そうした場面への適用が十分に可能性としてあるかと。
根源的なコア技術は「データ圧縮」ということなので、今後自動運転が広まってくると、ドライブレコーダーなどの画像/動画データを車⇔センター間だったり、場合によっては車⇔車間のデータのやり取りを即時にやりとりする必要性があるため、圧縮ニーズとかありそうだけどなー。

②については、M&Aを駆使して、ゲームソフト開発のアールフォースやゲーム用の音声作成のツーファイブなどを買収し、ミドルウェア→ソフトウェア・コンテンツ領域へ進出している。
こちらについては、ゲームは当たり外れが多く、ミドルウェアで培った技術力がどう生きてくるのか、なかなか難易度は高い気はする。
ただミドルウェア→ソフトウェア・コンテンツ領域という垂直統合的な進み方がうまくできればほかの業界においても同じ攻め方をできる可能性があり、クイックに成功例を作れるととても素敵。

 

じゃあ投資的にはどうか

示したように、売上/利益成長は申し分なし、ゲーム市場の伸長に伴って目先数年くらいは岩盤事業であるCRIWAREも伸びる可能性が高い。PERも20台後半と、この伸びにしてはまぁそこまでの割高感はないのでは。(ただ、正直個人的には投資時にPERはあまり重要視していない)
業績予想も固めにみているようなコツコツ実直派の会社なので、業績が大崩れする心配も少なそう。
また、これは完全に妄想レベルだが、こういう幅広いところに使えそうなコアな技術を持っているところを欲しがる会社はたくさんあると思うので、世の中的に「圧縮」技術のニーズが今より強く顕在化してきた際に、大手から買収打診の可能性はあるかと勝手に思っている。その辺も含めて、安いときに買っておきたい、というのが感想。

長期目線だと全然買ってもいいなーと思うのだが、もうちょっと下がると嬉しいなって感じかな。
あと、今調べたみたら、またまたなんとモルガンスタンレーMUFGが3月に入ってから空売りをしていて、なので、もう少しモルスタが売り込んで、買い戻しのタイミングのちょっと前のタイミングで買えるとベストかなと思うのですが、どうでしょうか。

3698 (株)CRI・ミドルウェアの空売り残高情報

 

空売りについての記事は以下

機関投資家の空売りに関する考察-いつも(7694)の例 - さらさら、ゆるゆる投資



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