さらさら、ゆるゆる投資

気負わず、楽しいなって思いながら、日々の投資についてのあれこれを記録

FUNDINNO案件レビュー(株式会社フォーメック)

さて、またFUNDINNO(ファンディーノ)で新しい案件が出たのでレビューしようかな。
3月27日10時申し込み開始の案件です。

ざっと投資登録者以外でもみれるところの情報を見て、思ったことを。

こういう新技術は評価が難しいですよね。個人的に仕事でスタートアップに関わったり、新規事業に関わったりしてる中でも強く感じます。
正直、わからんですからね笑。

また、FUNDINNO案件のレビューしようと思った背景は以下に書いてます。

FUNDINNOについて - さらさら、ゆるゆる投資

 

 

 

基本情報

【事業を一言で】

赤外線を使用した全く新しい方法での心房細動手術のための機器販売/レンタル

 

【投資の型】

新株予約権
(最近新株予約権型が多いですね)

 

【募集額】

40,050,000円~60,030,000円

 

市場/ニーズはあるか

日本の推定患者数は100万人で、高齢化に伴い、増加が見込まれています。解決しなければならない課題の1つではありますね。

心房細動に対する治療としては、ペースメーカーや、カテーテルアブレーション、メイズ(Maze)手術、ウルフオオツカ低侵襲心房細動手術(メンターで参加していらっしゃる大塚先生が考案したものですね、大塚先生はこの分野の権威です)などありますが、再発が多く発生する、患者への負担が多いなど看過できない課題がありました。
それを今回の赤外線を利用した技術で乗り越えられるというのが本案件の価値ですね。その通りであれば、誰にとっても嬉しいということに違いはないので(つまりニーズは強い)、「本当に実現できるの?」、かつ「ビジネスとして成り立つの?」ってことに尽きると思います。

心房細動や治療法については、こちらがわかりやすかったです。

心房細動とは?症状・原因・治療(手術)方法|ニューハート・ワタナベ国際病院

 

ちなみに私がこの分野は疎いので、その真価を理解しているか、と言われると厳しいのですが、メンターで入っていらっしゃる大塚先生の考案したウルフオオツカ低侵襲心房細動手術というのは非常に画期的なようですね。

心房細動と戦う低侵襲心臓外科治療法

ただ、気になるのは、大塚先生が、以下のように言っています。「至難の業ですが」ですね。これって、手術の難易度が高く、大塚先生くらいの人しか使いこなせない、となるとなかなか汎用化しづらいので、その辺ももしかしたら今後の課題なのかもですね。

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http://www.kyorin-u.ac.jp/univ/society/medicine/436/ より


事業計画は妥当か

まずビジネスモデルとしては、わかりやすく、機器の販売(もしくはレンタル)です。まぁそりゃそうですが、医療機器の代理店を挟む形ですね。

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なので事業のKPIとしては販売台数になりますが、その計画は以下ですね。医療機器は承認を取るのが大変なので、それが完了した2023年から本格的に売り出し、最終的には600台を超えるということになっています。

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売上でみると、以下です。

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ここで、2023年を見てみると、売上が172,560,000円で、台数が20台なので単純に割ると、1台8,628,000円になりますね。また、心房細動の治療費には150万以上かかるようです。目論見によると、月平均6.2例の手術を想定しているようなので、年間でいうと74.4人、治療費総額で1.1億円ということを考えると、まぁそこまで違和感はないですかね。

ただ、気になるのは最終的には600台の販売を想定していますが、そこまで入れる病院あるんだろうか、と。調べてみたら、下記サイトに心房細動の手術をしている病院とその症例数のランキングが出ていました。

74件以上やっている病院は439院しかないので600台超の導入については説明が欲しいところですね。海外なのか、もしくは1院に複数台入るのか。どちらにしても結構な割合でいれていくということになるので、これはもう心房細動の治療のスタンダードを取る、ということなんでしょうね。また、他の病気の治療にも使われるユースケースができてくると出来上がりの35億という数字も現実感を帯びてくるのかと思います。

 

また、医療機器としての承認ですが、下記サイトを見る限り、早くても8カ月以上かかりそうです。この前段階として症例を集めたりすることを考えるとやはり1年以上、対象会社が言っているように2022年、2023年からの本格販売が妥当ですね。

 

 

最後に、特許について。
今回画期的な技術ということなので、他社に模倣されないためにも特許はかなり大事になってきます。特許は日本、欧州で取った、となっていますが、どの範囲まででとったのか(事業としてまねされないレベルまで取れてる?)は気になるところです。その辺をFUNDINNOとしてどこまで確認したかは明示してほしいところですね。
さらにいうと、特許自体は一緒に研究開発をした杏林大学が持つことになっているので、事業で本特許を使う場合、杏林大学への何らかの支払いは当然想定されます。話し合い次第とは思いますが、その額や制限などによっては事業に多大な影響があるので、その辺もはっきりさせることは本来なら出資の前提とは思いますが、話し合います、と書いてあるだけというのはちょっともやもやしますね。

 

EXITについて

示されている数字だけだと、35億でIPOは遠いですね。あと、100万台も売れる話ではないので、売り切っちゃったあと、消耗品でちゃりんちゃり儲けるのはいいにしても、成長性が見えないですね。前述したような他の症例への転用とかそういうことが今時点でもある程度言えるといいなぁと思います。

どちらかというと、医療機器大手や、製薬メーカーなどに買収されるのが本線な気がします。35億とは言わずとも、売上10億くらいで利益1億くらい、に出来上がると買い手も出てくるのかなと思います。

その他雑感

  • 社会的意義は高いので頑張ってほしいと思うものの、ビジネスとしてゴールがIPOとしている点は違和感あり。この辺って結構ほとんどの企業がIPOゴールとしているが、どこかに買われるでもいいと思うんだよなぁ。その辺ってFUNDINNOはコメントしないのかな。
  • 経営陣が医療機器に強い、かつ、病院や心房細動の権威と一緒にやっているのはいいが、経営という点で少し不安。財務部分などはケイパビリティある人を入れたいところ。

 

ファンディーノで投資する際は、投資家登録が必要です。
興味ある方は下記からどうぞ。
これからもファンディーノ案件出てきたらレビューするのでよろしくです。

 

 

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