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【IPO分析】SQUEEZE(558A)AI×ホテル運営の成長企業、需給の重さがネック

こんにちは。さて、IPO案件の評価です。

今回は2026年4月22日に東証グロース市場に上場予定のSQUEEZE(558A)を取り上げます。

SQUEEZEは、AIを活用したスマートホテル運営プラットフォーム「suitebook」を軸に、ホテルの遠隔接客・自動価格調整・清掃管理・経営分析までワンストップで提供する企業です。「クラウド運営」でホテルの人手不足を解決するというコンセプトで、エスコンフィールドHOKKAIDO内のホテルやJR東日本グループのホテルなど、面白い案件を手がけています。

自分たちで運営もしてるようですね。

staytuned.asia

 

166ページある目論見書をClaude君に読ませて、いつもの5軸で分析してもらいました。

では、レポートどうぞ。

株式会社SQUEEZE(558A)
東証グロース / 上場日:2026年4月22日(水)
AIを活用したスマートホテル運営プラットフォーム
想定発行価格
3,110円
想定時価総額
約100億円
主幹事
SBI証券
B
成長ストーリーは魅力的だが、吸収金額の大きさとVC売出しが重荷。
公募参加は許容範囲だが、初値での大幅上昇は期待しづらい。

1. 事業と成長性

A

事業概要

SQUEEZEは、ホテルの運営を「AIとテクノロジー」で根本から変革する"ホテルAXプラットフォーム"を提供する企業。自社開発のクラウド宿泊管理システム「suitebook」を中核に、遠隔接客・自動価格調整・清掃管理・経営分析などをワンストップで提供する。

ビジネスモデルは4階層で構成される:SaaS(ソフトウェア提供)、BPaaS(ソフト+オペレーション)、MC(マネジメント・コントラクト)、ML(マスターリース)。上流の企画コンサルから運営まで一気通貫で支援し、リカーリング比率は90%超。

主要KPI推移

指標 FY2022 FY2023 FY2024 FY2025
売上高(百万円) 809 2,245 3,068 5,368
RUM(運営客室数) 3,280 9,059 15,558 21,351
GMV(百万円) 1,865 8,424 13,299 19,294

※FY2022-2023は単体、FY2024-2025は連結

売上高推移

FY2021
437
FY2022
809
FY2023
2,245
FY2024
3,068
FY2025
5,368

単位:百万円。FY2021-2023は単体、FY2024-2025は連結。

市場環境

国内ホテル・旅館の客室数は約182万室。SQUEEZEの運営客室数21,351室はシェア約1.2%にとどまり、成長余地は極めて大きい。宿泊消費のGMVは7.6兆円規模。

インバウンドは2025年に訪日外国人4,268万人・消費額9.5兆円と過去最高を記録し、政府は2030年に消費額15兆円を目標に掲げる。一方、宿泊・飲食サービス業の離職率は25.6%と深刻で、AI・DXによる省人化は業界の急務となっている。

強み
  • 売上高CAGR+154%(FY2022→2025)の高成長
  • リカーリング比率90%超の安定収益モデル
  • JR東日本、日本ハムファイターズ、東京建物等のエンタープライズ顧客
  • GOPマージン70%超を実現する実証済みのモデル
  • 企画→運営→データ活用の一気通貫支援は競合にない強み
  • TAM182万室に対しシェア1.2%、巨大な成長余地
懸念点
  • インバウンド需要への依存度が高い
  • ケネディクス等の特定取引先への依存リスク
  • まだ小規模組織(従業員119名)でスケール未証明
  • 宿泊業界はパンデミック等の外的リスクに脆弱
  • 競合(matsuri technologies等)の追い上げ

2. 財務の健全性

B
売上総利益率
42.0%
営業利益率
9.5%
自己資本比率
34.4%
ROE
52.7%

連結損益推移

項目 FY2024 FY2025 増減率
売上高 3,068 5,368 +74.9%
売上総利益 1,100 2,254 +104.9%
営業利益 241 512 +112.7%
経常利益 213 527 +147.3%
純利益 292 617 +111.5%
売上総利益率 35.8% 42.0% +6.2pt
営業利益率 7.8% 9.5% +1.7pt

単位:百万円。FY2025の純利益617百万円は繰延税金資産の計上(法人税等調整額△97百万円)により、税前利益527百万円を上回る。

連結貸借対照表(FY2025)

項目 FY2024 FY2025
総資産 2,766 4,302
現金及び預金 1,665 2,587
有利子負債(短期+長期) 1,016 1,485
純資産 863 1,480
自己資本比率 31.2% 34.4%

単位:百万円

連結キャッシュ・フロー

項目 FY2024 FY2025
営業CF 141 688
投資CF △650 △278
財務CF 725 469
FCF(営業+投資) △509 410
期末現金 1,032 1,928

単位:百万円

注意点:FY2025の純利益617百万円には繰延税金資産の計上効果(△97百万円)が含まれる。FY2026会社予想では純利益513百万円(△16.7%)と減益見通し。これは税効果の正常化によるもので、営業利益は705百万円(+37.9%)と増益基調を維持。配当は無配。

3. バリュエーション

B
PER(FY2025実績)
16.2倍
PER(FY2026予想)
19.5倍
PBR
5.1倍
PSR
1.9倍

類似企業比較

企業名 コード PER PBR ROE 時価総額 概要
SQUEEZE 558A 16.2x 5.1x 52.7% 100億 ホテルAX PF
tripla 5136 18-22x 5.1x 31.3% 94-114億 宿泊AIチャット・予約
共立メンテナンス 9616 15.5x 2.8x - 3,600億 ドーミーイン等運営
ポラリスHD 3010 27.3x 1.9x - - ホテル再生・運営
LIFULL 2120 12.9x 1.0x 7.4% 260億 不動産情報(参考)

※SQUEEZE以外は2026年3月時点の概算値。triplaが最も近い比較対象。

バリュエーション判断

最も直接的な比較対象であるtripla(5136)のPER 18〜22倍に対し、SQUEEZEのFY2025実績ベースPER 16.2倍は若干割安。ただし、FY2026予想ベースでは19.5倍とtriplaとほぼ同水準。

ROE 52.7%は突出して高いが、これは繰延税金資産効果による一時的な面もあり、正常化後のROE水準は要注視。PBR 5.1倍はグロース市場のテック銘柄としては標準的。

総合判断:概ね妥当。著しく割安とまでは言えないが、成長率を考慮すれば許容範囲。

想定初値レンジ

シナリオ 初値予想 想定PER 根拠
弱気 2,800円 14.6x 地合い悪化・VC売り圧力意識
中立 3,100円 16.2x 公募価格近辺での推移
やや強気 3,500円 18.3x テーマ性・成長率を評価

4. 需給

C

募集構造

区分 株数 金額(百万円) 構成比
公募(新株発行) 175,000 544 13.5%
売出し(引受人買取引受) 950,900 2,957 73.5%
OA 168,800 525 13.0%
合計 1,294,700 4,027 100%
吸収金額
約40.3億円
オファリングレシオ
40.1%
上場後発行済
3,220,800株

売出人の内訳

売出人 売出株数 属性 備考
ケネディクス 570,100 事業会社 C種優先株全量売却
エスコン 114,200 事業会社 180日LU
インキュベイトファンド3号 114,000 VC 1.5倍解除
舘林真一(CEO) 40,000 経営者 180日LU
Canal Ventures 35,700 VC -
JR東日本スタートアップ 35,700 事業会社 -
ジャフコSV4 34,000 VC 1.5倍解除
FFGベンチャー 7,200 VC 1.5倍解除

ロックアップ

対象者 期間 解除条件
CEO舘林、エスコン、GM他経営陣 180日(10/18まで) なし(絶対ロック)
インキュベイト、ジャフコ、FFG 180日 1.5倍で解除可
会社(新株発行) 180日 なし
好材料
  • 経営陣のロックアップは堅固(180日絶対)
  • 親引け先4社(第一リアルター、大和証券GH、ヒューリック、RS Investment)で約8.5億円吸収
  • AI×ホテル×インバウンドのテーマ性
悪材料
  • 吸収金額40億円超はグロースIPOとして重い
  • オファリングレシオ40.1%は高水準
  • ケネディクスがC種優先株を全量売却(出口色が強い)
  • VCロックアップに1.5倍解除条項あり(4,665円以上で売却可能)
  • IPO調達資金は全額借入金返済(成長投資ゼロ)
  • SBI証券主幹事=個人投資家配分多→初値売り圧力

株主構成(上場後推定)

CEO 31%
ケネディクス等
VC
市場流通

※売出後の概算。CEOは約100万株保有(売出40,000株後96万株、約29.8%)。

5. 総合評価

評価サマリー

評価項目 ランク コメント
事業と成長性 A AI×ホテルで高成長。売上CAGR+154%、TAM巨大。
財務の健全性 B 増収増益基調だが、FY2026は税正常化で純利益減。自己資本比率34%。
バリュエーション B PER 16〜19倍。triplaと同水準で概ね妥当。
需給 C 吸収40億円・OR40%と重い。VC 1.5倍解除。資金使途は全額返済。
総合 B 成長力は文句なしだが、需給面がボトルネック。公募参加は問題ないが過度な期待は禁物。

想定初値レンジ

弱気
2,800円
中立
3,100円
やや強気
3,500円

リスクファクター

リスク 重要度 内容
インバウンド需要の減退 地政学リスク・パンデミック再来で訪日客減少の可能性
VC売り圧力 1.5倍(4,665円)でロック解除、初値高騰時に売り圧力
FY2026減益見通し 税効果正常化で純利益△16.7%。市場の評価に注意
特定取引先依存 ケネディクス・エスコン等への売上集中
小規模組織 従業員119名。急成長に組織が追いつくか
競合の台頭 matsuri technologies等の競合。差別化は維持可能と判断

IPOスケジュール

仮条件決定 2026年4月6日(月)
BB期間 2026年4月7日(火)〜4月13日(月)
公開価格決定 2026年4月14日(火)
申込期間 2026年4月15日(水)〜4月20日(月)
払込期日 2026年4月21日(火)
上場日 2026年4月22日(水)

取扱証券会社

証券会社 役割
SBI証券 主幹事
東海東京証券 副幹事
大和証券 副幹事
みずほ証券 副幹事
マネックス証券 副幹事
北洋証券 副幹事
香川証券 副幹事
岡三証券 副幹事

企業概要

会社名 株式会社SQUEEZE(スクイーズ)
証券コード 558A
代表者 代表取締役CEO 舘林 真一
所在地 東京都渋谷区神山町6番4号(実際の業務拠点)
登記上本店 北海道北広島市栄町1丁目52番
設立 2014年9月
決算期 12月
従業員数 119名(連結)+臨時487名
事業内容 AI活用によるスマートホテル運営PF「suitebook」の提供、ホテル運営・コンサルティング
監査法人 ESネクスト有限責任監査法人
資本金 100百万円
本レポートは目論見書および公開情報に基づく分析であり、投資の推奨・助言を目的としたものではありません。
投資判断は自己責任でお願いいたします。

作成日:2026年4月2日 / データ出典:有価証券届出書(2026年3月24日提出)、各種IPO情報サイト

 

はい、ということでSQUEEZE、総合評価はBでした。

事業自体は結構面白いですけどね。ホテル業界の人手不足×AIという時代の流れにドンピシャで、売上もFY2022の8億からFY2025に53億と4年で6.7倍に急成長。リカーリング比率90%超というのも安定感あり。エスコンフィールドの球場内ホテルやJR東日本との協業など、エンタープライズ顧客の引きも強い。triplaと比べてもPER 16倍台は成長率を考えればそこまで割高ではないです。

ただ、問題は需給面。吸収金額40億円はグロースIPOとしてはかなり重いし、オファリングレシオ40%超は厳しい。ケネディクスがC種優先株を全量売却しているのも「出口」感が否めない。VCのロックアップが1.5倍(約4,665円)で解除されるのも初値が跳ねた場合の売り圧力になる。そして調達資金の使途が全額借入金返済というのは、成長投資への期待が持ちにくい。初値は公募価格前後の3,000〜3,300円あたりでしょうか。

 

 

本記事はあくまで個人の見解であり、特定の金融商品をお勧めするものではないのでそのへんは自己責任で!