ゆる投資とAIと暇つぶし

気負わず、楽しいなって思いながら、日々の投資や生成AIについて記録

FUNDINNO案件レビュー(株式会社Blueprint one) with Gemini

こんにちは。今日も今日とてFUNDINNOで出ていた案件をレビューしようと思います。

今回はこちら。

 

レビューは私の頭の中の調査項目をプロンプト化した上でGeminiにやってもらいました。

 

(生成AI活用の概要や生成AI活用したこれまでの案件のまとめは以下参照)

生成AI×投資案件レビュー - さらさら、ゆるゆる投資

生成AIにおける案件評価のここまで - さらさら、ゆるゆる投資

FUNDINNOは儲かるか - ゆる投資とAI遊びと暇つぶし

 

脱脂粉乳を洋服の素材にするんですね。ほへー。着心地は良さそう。

では、いきましょう。

 

株式会社Blueprint one 案件評価レポート

経営コンサルタント&プロの投資アナリストによる分析

1. 市場と成長性 (30%)

① 当該企業がターゲットとする具体的なニッチ市場の規模は十分か、そして持続的に成長するか?

評価: △(ニュートラル/要検証) (10点中 6.0点)

[ポジティブ]

原料(課題)となる「脱脂粉乳の過剰在庫」問題の規模は非常に大きく、政府が約103億円の補正予算を組むほど。また、受け皿となる「サステナブルファッション」市場は年平均9%超の成長が見込まれ、市場の成長「性」は高い。

[ニュートラル/ネガティブ]

「脱脂粉乳由来の繊維」というニッチ市場は現時点では存在せず、これから創造する必要がある。市場規模は未知数。原料の課題解決が起点であり、市場規模は現時点では測れないため「要検証」と判断。

② 競合環境はどうか、明確な競争優位性(Moat)を構築できるか?

評価: ○(ポジティブ) (10点中 8.0点)

[ポジティブ]

ソース記載通り「脱脂粉乳を原料とし、製品化・販売までつなげている事例は国内外でもほとんど存在していない」ため、直接競合は不在。

明確な競争優位性(Moat): 大手乳業メーカー「明治」との強力なパートナーシップ(原料調達・PR)、大手繊維商社「田村駒」との製造・販売ネットワーク、および「特許技術を有する国内メーカー」との連携は、新規参入者が容易に模倣できない強力な「関係性のMoat」を構築している。

[ネガティブ]

広義の競合は他のサステナブル素材(オーガニックコットン等)であり、コストや機能面での比較は発生する。

③ 市場における大きなリスクや参入障壁となり得る要因はないか?

評価: △(ニュートラル/要検証) (10点中 6.0点)

[ネガティブ]

「成功のジレンマ」という構造的リスク。 本事業が成功しスケールすればするほど、原料である「脱脂粉乳の過剰在庫」が解消され、原料不足や価格高騰を招く可能性がある。事業の前提が「過剰在庫」にあるため、この問題が解決されると事業前提が崩れる。

カゼイン(タンパク質)を含むため、牛乳アレルギーの消費者への注意喚起やリスク管理が必須であり、これが参入障壁となり得る。

2. ビジネスモデルと収益性 (30%)

① 顧客の課題を解決し、対価を支払うだけの価値を提供できているか?

評価: ◎(非常にポジティブ) (5点中 5.0点)

[ポジティブ]

複数のステークホルダーの課題を同時に解決する、非常に優れた価値提案。
1. **B2B(酪農・乳業):** 「過剰在庫」という明確な課題に対し「繊維原料」という新たな販路を提供。
2. **B2B(アパレル):** 「サステナブル素材・ストーリー」という需要に対し「脱脂粉乳由来」というユニークな価値を提供。
3. **B2C(消費者):** 「環境配慮」「高品質」のニーズに対し「酪農家支援」という情緒的価値と「シルクのような肌触り」という機能的価値を提供。

② 収益構造は堅牢か、継続的な収益確保の蓋然性はあるか?

評価: ○(ポジティブ) (5点中 4.0点)

[ポジティブ]

収益源を B2C(自社EC)、B2B(卸売)、B2B(OEM・共同開発)と多様化させている。特に「明治」「田村駒」との連携によるB2B売上が初期の安定収益源となる蓋然性が高い。

「社会課題解決」というストーリー性が高付加価値を生み、価格競争に巻き込まれにくいモデルである。

[ネガティブ]

現時点での売上規模はまだ小さく、堅牢性はこれからの構築フェーズ。

③ 顧客のLTV(生涯価値)を最大化できるか、リピート購買の蓋然性は高いか?

評価: ▲(ややネガティブ/懸念あり) (5点中 1.0点)

[ネガティブ]

主力製品(Tシャツ)は、「脱脂粉乳から作った」という**「ストーリー性(Why)」**が最大の購入動機。これは初回購入には強力に働くが、**リピート購入(2着目)の動機としては弱い**。

リピートは「着心地」「耐久性」といった**「製品価値(What)」**で決まるが、本案件は「応援消費」や「ギフト需要」の側面が強いと推察され、同一顧客による継続的な複数回購入(LTVの向上)は難しい可能性がある。この点を厳しく評価した。

[ポジティブ]

B2B(例:ユニフォームの定期的入れ替え)の方が、B2CよりもLTVは高くなる可能性がある。

④ 運営上、事業継続を脅かすクリティカルなリスクや潜在的な問題はないか?

評価: △(ニュートラル/要検証) (5点中 3.0点)

[ネガティブ]

製造委託先への依存。 「特許技術を有する国内メーカー」1社に製造の根幹(繊維化)を依存していると推察される。当該メーカーの生産キャパシティや契約継続の意思が、事業全体のボトルネックとなるクリティカルなリスク。

カゼイン(タンパク質)繊維の品質安定性(強度、洗濯耐性)やアレルギーリスクの管理は、継続的な課題となる。

⑤ 想定される主な収益性低下要因は何か?それに対する対策は講じられているか?

評価: △(ニュートラル/要検証) (5点中 3.0点)

[低下要因]

1. **原料(脱脂粉乳)価格の高騰。**(前述の「成功のジレンマ」)
2. 製造委託コストの上昇。
3. 類似の安価なサステナブル素材の台頭。

[対策]

3. に対してはブランド力で差別化可能。しかし、1. の構造的リスクに対する明確な対策(例:在庫解消後の新たな原料戦略)はソースからは読み取れない。

3. 経営チームと組織体制 (30%)

① 経営者のビジョン、経験、実行力、そして倫理観は信頼に足るか?

評価: ◎(非常にポジティブ) (10点中 10.0点)

[ポジティブ]

本案件の最大の強み。
1. **ビジョン・倫理観:** 「酪農家を支援したい」という創業経緯・ミッションが極めて明確。
2. **経験:** 大手酪農テック(ファームノート)でのマーケティング・広報責任者という経歴は、本事業に最適。
3. **実行力:** 創業から短期間で「明治」「田村駒」「外資系カード会社」など、名だたる大手企業を巻き込んでいる実行力は卓越している。

② 事業計画達成に必要な専門性、経験、チームワークを備えた組織体制か?不足している点は何か?

評価: ○(ポジティブ) (10点中 8.0点)

[ポジティブ]

代表(マーケティング)に加え、業務委託メンバーとして、大手スポーツアパレルでの素材開発・品質管理担当者、世界的ファッションブランドのデザイナー、スタイリスト、ミシュランシェフなど、アパレル・ブランディングのプロフェッショナルが揃っている。

[不足している点]

多くが業務委託中心と推察され、コミットメントの度合いやスケールアップ期の組織力に懸念が残る(アーリーステージとしては最適解とも言える)。

③ 主要メンバーの離職リスクや組織運営上の大きな課題はないか?

評価: ▲(ややネガティブ/懸念あり) (10点中 2.0点)

[ネガティブ]

代表取締役への極端な依存(キーマンリスク)。 大手企業とのアライアンスは、現状ほぼ鈴木代表個人のネットワークと実行力に依存していると推察され、代表の離脱は事業の即時停滞を意味する。

主要メンバーが業務委託である場合、本業の都合等による離脱リスクは常につきまとう。

[対策]

資金使途に「人件費(1,219万円)」が計上されており、これらのメンバーの正社員化(コミットメント強化)や組織化によるリスク分散を計画している点は評価できる。

4. スケールアップ戦略と実現可能性 (10%)

① 提示されたグロース計画は具体的で、現実的な達成見込みがあるか?

評価: △(ニュートラル/要検証) (5点中 3.0点)

[ポジティブ]

B2B(OEM、卸売)を柱にする戦略、脱脂粉乳以外の廃棄物(漁網、大豆)への水平展開、海外展開(台湾→中国→欧米)というロードマップは具体的。

[ネガティブ]

売上計画が2030年以降急カーブを描いている(2029年 2.4億 → 2033年 19.7億)。大手SPAとの取引開始を前提としていると推察されるが、そこに至るまでの実現性、特に後述の生産リスクを考慮すると、やや楽観的と判断。

② 計画の実行を阻む潜在的・顕在的な大きなリスクはないか?また、それらへの対応策は?

評価: ▲(ややネガティブ/懸念あり) (5点中 1.0点)

[ネガティブ/リスク]

生産キャパシティが最大のボトルネック。 スケールアップ(特に大手SPAへの供給)の際、現在の「国内メーカー(特許技術)」の生産能力では到底追いつかない。

計画にある「全量海外生産の検討」は、特許技術の移転、カゼイン繊維の品質管理(海外での安定生産)のハードルが極めて高く、リスクが非常に大きい。

(再掲)スケールすればするほど「原料(脱脂粉乳)価格」が高騰するジレンマが、スケールアップ戦略と根本的に矛盾している。

[対応策]

これらの最大リスクに対する具体的な対応策(例:特許メーカーとの技術ライセンス契約、第二の原料確保戦略)がソースからは読み取れない。

総合スコア (100点満点)

60 点

評価軸 (重み) 評価項目 評価 点数 (配点)
1. 市場と成長性 (30%) ① ニッチ市場の規模と成長性 6.0 / 10点
② 競合環境と競争優位性 8.0 / 10点
③ 市場リスクと参入障壁 6.0 / 10点
軸1 合計スコア 20.0 / 30点
2. ビジネスモデルと収益性 (30%) ① 顧客課題解決と価値提供 5.0 / 5点
② 収益構造の堅牢性・継続性 4.0 / 5点
③ 顧客LTVとリピート購買 1.0 / 5点
④ 運営上のクリティカルなリスク 3.0 / 5点
⑤ 収益性低下要因と対策 3.0 / 5点
軸2 合計スコア 16.0 / 30点
3. 経営チームと組織体制 (30%) ① 経営者のビジョン・経験・実行力 10.0 / 10点
② 組織体制の専門性・経験 8.0 / 10点
③ 主要メンバーの離職リスク 2.0 / 10点
軸3 合計スコア 20.0 / 30点
4. スケールアップ戦略 (10%) ① グロース計画の具体性・現実性 3.0 / 5点
② 計画実行リスクと対応策 1.0 / 5点
軸4 合計スコア 4.0 / 10点

アナリスト総評 (総合スコア: 60点)

本案件は、「脱脂粉乳の過剰在庫」という深刻な一次産業の課題を、「サステナブル繊維」という成長市場の需要に結びつける、社会貢献性と市場性の両面で非常に魅力的なアップサイクル事業です。

最大の強みは、代表の鈴木氏にあります。酪農テック出身という「課題への深い理解」と、創業初期から「明治」「田村駒」といった業界大手を巻き込む卓越した「実行力」と「ネットワーク」は、他のスタートアップにはない強力な参入障壁(Moat)を形成しています。(軸3: 20点)

しかし、総合評価は60点と「中立」に留まります。理由は、「事業の前提」と「スケールアップ」の間に存在する2つの深刻なジレンマが、現時点の計画では解消されていないためです。

  • 第1のジレンマ(LTV): B2C事業は「ストーリー性」で初回購入を促すモデルであり、これは成功しています。しかし、LTV(リピート購買)に必要な「製品価値(例:圧倒的な着心地、耐久性)」による継続購入の蓋然性が低く、「ストーリー消費」から「継続的な製品消費」への転換に課題があると評価しました。(軸2 LTV: ▲)
  • 第2のジレンマ(スケール): 事業の根幹が「脱脂粉乳の過剰在庫」にあるため、事業が成功しスケールすればするほど原料(在庫)が解消され、原料不足・高騰を招く「成功のジレンマ」に直面します。この構造的リスクに対し、スケールアップ戦略(大手SPAへの供給、海外展開)は野心的ですが、生産キャパシティ(特許メーカーへの依存)や海外生産への移行ハードルが極めて高く、実現可能性を厳しく評価しました。(軸4 実行リスク: ▲)

結論: 経営チームは極めて優秀(軸3)であり、社会課題解決の「入口」を作る能力は卓越しています。しかし、B2CのLTV(軸2)とスケール戦略(軸4)に大きな懸念が残ります。M&AでのExitを目指すのであれば、スケールアップの実現性よりも、大手企業にとって魅力的なアセット(ブランド、特許技術、ネットワーク)を構築し、早期に事業売却(バイアウト)に持ち込む方が現実的かもしれません。

チューニングの結果なのか、Gemini君が前より厳しめになった気がする。

廃棄漁具をメガネにしたりもしてんだな。色々やってスケールしそうなのがこれってことか。

対象会社HPより

 

まだ見えてない段階だからしょうがないけど、今の段階だと売上が億いくイメージがないのよなぁ。

 

同じ新しい繊維素材のスタートアップのSpiber(スパイバー)も一時期すごいユニコーン!とか言われたけどさ、売上数億で赤字が数十億とかだし、成功例でもないんだよなぁ。

あ、これおもしろかった。

 

 

 

ファンディーノで投資する際は、投資家登録が必要です。
エンジェル投資家になりたい人は下記からどうぞ。