ゆる投資とAIと暇つぶし

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尖ったスタートアップ探索【Interlune】

こんにちは。

面白いスタートアップのメモです。

面白いというのは
「えー?そんなことできるの?」
「考えもしなかった」
「役に立つか全然わからんけど見てみたい」

に引っかかったやつです。まぁ大体。

 

とりあえずしばらくやってみつつ、良い感じの形を探そうかと思っとります。

今日はこちら。

 

Interlune

月で宝を採掘する企業です。

いや、なんやねんそれ。えーと、月にあるヘリウム3という物質を持って帰ってこようという企業です。

なんでかというと、ヘリウム3は地球上にはほとんどないんですが、これから来るであろう核融合の燃料として優秀(放射性廃棄物を出さない)であったり、量子コンピューターの冷却材として使えたり、今後まさにみんなが欲しくなるお宝だそうです。

 

こんな感じのやつで月の砂から採取するんだと。おもしれーなぁ。

対象会社HPより


月面ゴールドラッシュですね。中国も狙っているようです。

 

その他概要も含めて以下にまとめてみました。

Deep Tech企業分析レポート:Interlune(インタールーン)

〜「月面ゴールドラッシュ」の火付け役。元Blue Origin社長による宇宙鉱業スタートアップ〜

作成日: 2025年12月14日

1. エグゼクティブサマリー

Interluneは、宇宙開発の歴史において初めて「月の天然資源(ヘリウム3)を商業的に採掘し、地球へ持ち帰って販売する」ことを目的に設立された米国のスタートアップです。

従来の宇宙開発が「科学探査」や「インフラ構築(輸送)」に留まっていたのに対し、彼らは月を純粋な「鉱山」として扱い、核融合発電や量子コンピュータの燃料となる希少資源のサプライチェーンを構築しようとしています。

創業者はJeff Bezosの宇宙企業Blue Originの元社長であり、Reddit創業者のVCが出資するなど、ドリームチームによる「宇宙版・大航海時代」の幕開けと言えます。

2. 企業概要と強力なチーム

「誰がやっているか」が、この荒唐無稽なプランの現実味を担保しています。

  • 企業名: Interlune (Interlune, Inc.)
  • 拠点: 米国シアトル
  • 創業: 2020年(2024年にステルスモード解除)
  • 創業者(ドリームチーム):
    • CEO: Rob Meyerson
      元Blue Origin社長(2003-2018)。Bezosの右腕としてNew Shepardロケット開発を指揮した伝説的経営者。
    • CTO: Gary Lai
      元Blue Originチーフアーキテクト。実際に有人宇宙船に乗って宇宙へ行った経験を持つエンジニア。
    • Adviser: Harrison Schmitt
      アポロ17号の宇宙飛行士(月面を歩いた唯一の地質学者)。

3. 投資家と資金調達 (Funding)

シリコンバレーの著名VCが「最初の宇宙鉱山」にベットしています。

💰 累計調達額: 約$18M+(約27億円以上)

  • リード投資家: Seven Seven Six (776)
    Reddit共同創業者Alexis OhanianのVC。彼は「月面資源こそが、地球の技術的限界(核融合など)を突破する鍵だ」と公言しています。
  • その他の投資家: Aurelia Foundry Fund, Gaingels, Liquid 2 Venturesなど。
  • 助成金: NASAやNSF(全米科学財団)からも技術実証のために数千万円規模のグラントを獲得済み。

4. 狙いは何か?:ヘリウム3 (Helium-3)

彼らが月に行く理由は、ただ一つ。「ヘリウム3」というお宝を掘るためです。

なぜヘリウム3なのか?

  • 地球にはない: 地球上には数キログラムしか存在せず、価格は1グラムあたり数千ドル(金の数万倍)とも言われます。
  • 用途1(直近): 量子コンピュータ & 医療
    極低温冷却(絶対零度近くまで冷やす)のために必須の素材ですが、地球上の在庫が枯渇寸前で危機的状況です。
  • 用途2(未来): 核融合発電
    「夢のエネルギー」とされる核融合の燃料として、放射性廃棄物を出さない理想的な素材です。
月の在庫: 太陽風によって運ばれたヘリウム3が、月の土壌(レゴリス)には数百万トン単位で眠っていると推定されています。

5. コア技術:独自の採掘プロセス

「どうやって月から持ってくるのか?」に対する彼らの答えは、重機メーカーVermeer(バーミヤ)との提携による独自マシンです。

🚜 月面コンバイン (Lunar Harvester)

  • 掘らない: 深く掘るのではなく、表面の土壌(レゴリス)を大量に吸い込みます。
  • 現地精製: 巨大なコンバインのような機械の中で、土壌からヘリウム3ガスだけを分離・抽出します。
  • 戻す: ガスを抜いた後の土は、そのまま月面に戻します。これにより、地球に持ち帰る荷物は「純粋なガスタンク」だけになり、輸送コストを劇的に下げられます。

※2025年5月、1時間に100トンの土壌を処理できる実寸大プロトタイプを公開しました。

6. 今後のロードマップ

  • 2026年 (予定): 初の実証ミッション。月の土壌に含まれるヘリウム3の正確な濃度を測る小型探査機を打ち上げ予定。
  • 2028年: パイロットプラント(小型の精製工場)を月面に設置。
  • 2030年代: 商業採掘開始。定期的にヘリウム3を地球へ輸送するサプライチェーンを確立。

7. 結論・リスク評価

Interluneは、SF映画『Moon(月に囚われた男)』の世界を現実にしようとしています。技術的・資金的なハードルは極めて高い(特に「月から地球への帰還輸送」コスト)ですが、以下の点で勝算があります。

  1. SpaceX Starshipの登場: 輸送コストが劇的に下がる前提でビジネスモデルが組まれている。
  2. 切迫した需要: 量子コンピュータ業界からの「ヘリウム3をくれ」という悲鳴が、高い価格を正当化している。

「ゴールドラッシュで一番儲けたのは、金を掘った人ではなくツルハシを売った人」と言われますが、Interluneは「自分たちでツルハシを作り、自分たちで金を掘りに行く」という、最もハイリスク・ハイリターンな賭けに出ている企業です。

参照URL

 

なお、これまで株式投資型クラウドファンディングの案件やIPO案件も評価しています。興味あれば是非ご覧ください。

 

(詳しくはこちら)

IPO案件評価 カテゴリーの記事一覧 - ゆる投資とAIと暇つぶし

FUNDINNO案件レビュー カテゴリーの記事一覧 - ゆる投資とAIと暇つぶし

 

最後に、本記事はあくまで個人の見解であり、特定の金融商品をお勧めするものではないのでそのへんは自己責任で!