さらさら、ゆるゆる投資

気負わず、楽しいなって思いながら、日々の投資についてのあれこれを記録

FUNDINNO案件レビュー(株式会社ロングターム・インダストリアル・ディベロップメント)

こんにちわ。

またFUNDINNO(ファンディーノ)で新しい案件が出たのでレビューしようかな。
2021年4月27日 19:30申し込み開始の案件です。

ざっと投資登録者以外でもみれるところの情報を見て、思ったことを。

 



また、FUNDINNO案件のレビューしようと思った背景は以下に書いてます。

FUNDINNOについて - さらさら、ゆるゆる投資

 

 

 

基本情報

【事業を一言で】

AIを利用した農家向け融資、物流支援、買取マッチング

 

【投資の型】

新株予約権

 

【募集額】

10,080,000円~30,060,000円

 

市場/ニーズはあるか

対象会社はまずはフィリピンの農業が対象ということですが、なかなかフィリピンの農業規模の情報ないですね。
年間推移は分からないのですが、規模感のデータがあったので参考までに。4半期で9200億円ということなので、年間だと約3.7兆円くらいってことですね。思ったより大きい。

第1四半期の農業生産額が1.2%減少、新型コロナウイルスの影響はわずか(フィリピン) | ビジネス短信 - ジェトロ

 

作物としては、さとうきび、ココナッツ、バナナ等を主に輸出用として育てているみたいですね。

https://www.maff.go.jp/j/kokusai/kokusei/kaigai_nogyo/attach/pdf/index-139.pdf

(JICA)

 

フィリピン政府としても農民の生産性向上や生計改善を課題として取り組みを進めているようですね。

フィリピン進出。農業技術・農機ビジネスの商機アリ。

 

対象会社のサービスの核は「融資」と「買い手/売り手マッチング(自社買取も含む)」です。

 

まず、融資について。こちらが概要図ですね。

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AIで精緻な与信管理、コスト削減をした上で融資をするようです。現在は、地元の有力者などから年率200%とかまぁものすごい利率で借りざる得ない状況なので、20%で借りられるとなるとニーズはありそうです。(日本人からすると高く感じますが)
ただ、今まで高く貸して儲けていた層が反発しそうなので、そのあたり気になりますね。国としての強い推進や農業が盛り上がることでその人たちにも利があるようなことが示せるといいですね。

 

次は、買い手/売り手マッチング(自社買取も含む)、です。こちらが概要図です。

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こちらは外部情報含めたデータからAIを駆使して、適正値を出し、マッチング、もしくは自社買取をする要です。
こちらも同様に今まで生産者から安く買いたたいていた層がいるので、その人たちをどうするかは気になりますね。まずは自社買取で農家を守りつつ、市場をきちんと適正価格で回るようにするという少し長期スパンの取組が必要かもしれないですね。

 

総じてニーズはありそうですが、割を食う人もいそうなので、国などの動きも含めた全体でWinになるような仕掛けが必要ですね。

 


事業計画は妥当か

KPIはシンプルに借入人数となってますね。支援した農家がお金を借り、そこで作った作物の買い手―売り手マッチング、または買取になるのでまぁ借り入れ人数というか支援農家数、みたいなイメージですかね。

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売上でいうと以下ですね。

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さて、IPO予定の2028年で少し計算してみましょう。
2028年で約2万人の農家を支援している計画です。

貸付と売り手―買い手マッチングに分けましょう。

 

まず貸付について。対象会社によると年間20-30万くらいの費用が必要ということなので20万円と仮定。利率は20%ということで、

 

20万円×20%×2万人=8億円(①)

 

次は売り手―買い手マッチングですね。対象会社によると農家の平均年収が20-30万ということと、このサービスを利用することで生産性が200%上がるということなので、それを信用すると年間の収入=生産高は

 

20万円×200%=40万円

 

マッチング料が20%ということなので

 

40万円×20%×2万人=16億円(②)

 

①と②をあわせると24億円、対象会社計画の34億円とまぁ規模感は変わらないですね。

 

こうやって分解してみると、やっぱキーとなるのは支援数(貸付数)ですね。
計画値は2万人で、フィリピンは農業従事者が人口1億の40%ともいわれているので割合的にはいけそうな気もしますが、前述したように今の商習慣を壊すということになるので、割を食う人をどう捉えて浸透させていくかが鍵ですね。
フィリピン政府や大学とも連携しているようなので、そのあたりと協力をしながら、時間はかかるけれどもみんながウィンになるような仕組みを築けたら幸せな事業ですね。

 

EXIT(イグジット)について

IPOはする必要あるのか、とは思いますが、この仕組みがフィリピンで成功して、農業がまだ非効率に行われている地域に横展開していくという段階であれば受け入れやすいかと思います。バイアウトはあるとしたら、農業関連の大手などは興味あるかもしれないですね。コマツとかと連携して、農業効率化に一緒に取り組めたら素敵ですけど、どう双方に利を出すようなアライアンスとするかは難しいかなぁ。

 

その他雑感

  • 個人的に社会的意義の大きいものはとても好きなので、是非頑張ってほしい。
  • むしろこういう案件にこそ、日本の大企業は金を出してほしい。もっというと、金を出すだけじゃなくて大手企業側にもWinがあるような仕組みを真剣に考えて、成功ケースを作ってほしい。純粋な資本主義経済のみでの拡大はこの世界では厳しくなってきていると考えていて、SDG'sというか、まだ資本主義のメリットを享受できていないところを引き上げる、もしくは、飽和した資本主義経済じゃないところの価値を提供することが30年~50年先の企業なんじゃないかなぁと思う今日この頃。

 

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興味ある方は下記からどうぞ。
これからもファンディーノ案件出てきたらレビューするのでよろしくです。

 

 

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